伝説のアロハシャツ生地を超える素材を開発する
と言ったとき、周りはみんな笑った。
しかし…?
ある日、有名テキスタイルデザイナーであるA氏と私たちが原宿で古着を見ていると、彼が1980年代に手掛けたアロハシャツが約4万円で販売されていた。
それを見たA氏は、アロハシャツについて自慢げに話しだした。
「アロハシャツの起源は『着物』。
サトウキビ農業の労働者としてハワイに移住した日本人が、現地の『パラカ』という開襟シャツを参考にして着物を仕立て直して誕生した」
(*諸説あります)
「アロハシャツは、素材がレーヨンもしくはシルクであることが原則。
レーヨンはポリエステルや綿よりも発色が鮮やかだから、アロハシャツに合う。そして肌触りがよい」と。
かつて手掛けたシャツに高値が付き、知識も豊富なA氏に対して、その場にいた私たちは一斉に羨望の眼差しを向けた。
しかし私は、“取り扱いやすいアロハシャツの生地をつくろう”と思い立った。
アロハシャツの良い点は、肌触り・発色・蒸れにくい。
良くない点は、洗うと縮む・シワになりやすい・色落ちする・やや重いこと。
A氏の自慢話で盛り上がったところで私は静かに話し始めた。
「このアロハシャツの生地をもっと便利なものにつくりかえる」
「新しいレーヨンでつくるの?」とA氏は聞いてきた。
「レーヨンではつくらない。ポリエステルでつくります」私は答えた。
一瞬、場が静まり返り、周りはざわめいた。
「そんなことできるの?」と驚きの声と同時に、コソコソと話す声も聞こえた。
彼らは私には絶対にできないだろうと思っていた…。
どうせ励ましてくれないだろうと思った。
僕はその場を何も言わずそっと去った。
そして、数か月後。
商品開発は、アロハシャツ特有の柔らかさを出すための糸・織密度の微調整に難航を極めた。
だが、そこは想定通りだった。
わずか3ヶ月で基本商品をつくり6ヶ月で商品デビューまでこぎつけた。
商品の評判はすこぶる良い。
今は、過去の常識に捕らわれず、商品開発を好きな時に好きな考えで、好きな仲間とすることができる。
私の唐突な発想にも、真剣についてきてくれる仲間たちと。
このポリエステルの機能を持ち合わせたアロハシャツは、ネットでも取り上げられるようになり、知名度もあがった。
すると…
あのとき、できないだろうと思い込んでいた人たちから次々に連絡がくるようになった。
生地への羨望
誰もがこの生地の良さを羨み、その秘密を知ろうとやっきになった。
-どうやってこの生地が出来上がったのか?
「アロハシャツを着た時に感じるストレスに徹底的に焦点を当てて、ポリエステルで解決した。
それがNT1085Aです―。」
あたらしい価値観を生み出すNT1085A
見た目はコットン/レーヨン - 機能は合繊
140/2Sのコットン/レーヨンストレッチ平に代わる素材。
そして古着のアロハシャツをイメージしたヴィンテージの見た目に仕上げてあります。
それでいて機能は“私たちの”ポリエステル。
洗濯機でガンガン洗えます - 型崩れしない
ポリウレタン混の糸ではなくポリエステル糸のSTRETCH素材なので、劣化が起きにくく、STRETCH性が長持ちします。
洗濯50回(週1回の洗濯で約1年)後でも伸長回復率は80%以上の優れもの。
だから、洗濯後の型崩れや膝抜けしにくく、永く愛用できる服が作れます。
(参考:一般的なストレッチ生地では洗濯前の伸長回復率は60~70%程度で、洗濯するごとに数値が下がっていくと言われています。)
速乾機能 ― 部屋干し3時間
洗濯脱水後に90分以内に乾く生地です。
そのため、夜洗濯して部屋干ししておけば朝には乾きます。
だから毎日清潔に着用できます。
シワになりにくい ― アイロン不要
ヴィンテージの見た目に仕上げているためシワが見えにくいです。
洗濯した後、アイロンをせずにそのまま着用できます。
アイロンをかけるというストレスから皆んなが解放されます。
Art #:NT1085A
Function:DRY、STRETCH
Composition:PE100
Size:148*49
Weight:84g/㎡