#NT1226A-3 =超寿命な伸縮素材=

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「はじく」の技術とその先の話

 撥水機能がある素材「NT1226A」の3回目となるテーマは、ロータス効果を用いた「C0」についてです。これまでには炭素数で表された「C8」や「C6」という加工剤もありましたが、NOTO QULITYが選んだ「C0」についてお話します。

 SDGsやサステナブルなど、環境への配慮は一般にも広く認知されていますが、撥水加工においては産業界でも取り組みが行われてきました。そのうちの一つに「ZDHC」(Zero Discharge of Hazardous Chemicals / 繊維産業で有害物質の排出ゼロを目的に2011年から活動している団体)が掲げている、有機フッ素化合物を使わない「フッ素フリー」があります。

【撥水効果の評価】

 撥水加工された生地の表面自由エネルギーが低いと、より水滴の表面張力が保たれ球体に近づくので、接触角を計って評価する。この他に、洗濯回数に対する「耐久性」や、傾斜させて水滴が落ちる「滑落角」などでも評価される。

 撥水効果の評価は、水滴と生地が作る「接触角」と、効果が持続する「耐久性」で判断されます。この基準では表面自由エネルギーが最も低いフッ素化合物を含んだ「C8」が圧倒的に有利ですが、PFOA(パーフルオロアルキル基)という人体に悪影響を与える物質も含まれています。これは分解されにくく、河川を始め、ホッキョクグマなどの野生動物やヒトの血液や母乳からも検出されたことで規制が強まり、やや機能は劣るものの「C6」や「C4」という新しい加工剤が開発されました。

【C0の撥水構造】

 蓮の葉と同じような凹凸の構造を持つ撥水剤と生地を架橋剤によって定着させる仕組み。凹凸と水滴の間に空気の層ができることで表面自由エネルギーが下がり、撥水性を高めることができる。

 さらに近年になってからは、フッ素化合物そのものを使わない加工として「C0」が開発され、ロータス効果を用いた撥水加工が可能になりました。糸から織られた生地を加工剤に浸けることで、撥水剤を架橋剤で生地に定着させ、「C6」同等の効果を持たせることが可能になりました。「NT1226A」は「C0」の撥水機能があることで水や汚れをはじき、風合いを活かしたまま、お気に入りのアイテムを永く使うためにお勧めしている素材です。

「C0」を用いてフッ素フリーにすることで、環境や人体への影響を抑えることができましたが、耐久性や撥油などの課題は残っており、さらに進歩した加工剤や繊維の開発が進んでいます。NOTO QUALITYの目標はさらなる撥水性と耐久性を併せ持ち、より加工を減らしてCO2削減も達成すること。「NT1226A」も糸の構造や織りの技術で撥水機能を模索し、より風合いを高めたアップデートを目指していきます。

Art #:NT1226A
Function:STRETCH
Composition:Polyester100%(Recycle 63%)
Size:130*49
Weight:132g/㎡

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