#Z2082111(4) =超寿命な軽量素材=

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「#Z2082111」はどんな発想から生まれたの?

200Sの綿タイプライターをナイロンコットンで作ってほしい…
その囁きがカタチに。

服を創りあげるということは、まずデザインがあって、それからパターンと素材という3つの要素が必要になります。

そのなかで、難しいデザインを実現しやすくする要素はズバリ “素材” だと思います。

素材が持つ良さをそのまま活用できないものか…と、私たちはずっと考えているのです。

このような考察をしている中で、2008年にJETRO(日本貿易振興機構)の主催で欧米の有名ブランド数社が北陸を訪れました。
ある有名な1社のデザイナーが私たちのナイロンコットン(高密度織物)を見て、

「ナイロンコットンで200Sの綿タイプライターを創れないかな」

と囁いたのが#Z2082111の開発の始まり。

そのデザイナーは、多分冗談で囁いたと思います。
しかし、その“囁き”が次第に私たちに“モヤモヤ”を生じさせたのです。

「綿とは何か」を徹底的に調べ
「タイプライタークロス」を徹底的に調べ
「200Sの綿タイプライタークロスの良い所・悪い所」も徹底的に調べました。
 
タイプライターの詳細は福田織物さんのコラムが詳しいので参考まで。
→→→福田織物さんのコラム

200Sの綿タイプライタークロスは欧州メゾンでは貴重な高級素材として使われていますが、合繊織物に比べると打ち込みが甘く、強度も非常に弱く(引裂き強度2~3N)、限られた用途でしか展開できていないという弱みがありました。

当時はピカピカの軽量ナイロンタフタや、重めの綿高密度が貴重な売り場スペースを大きく占領し、そこへ鎮座しているのが200Sの綿タイプライターでした。

“囁き”を聞いて以降、「このままで良いものか?」と、その現状をずっと違和感を抱きながら見つめていました。

お客様の“囁き”から生まれた“モヤモヤ”の違和感を見逃さない。

それは、お客様の声だけに限らず、自分自身が生活を送るなかで常に ”観察” の視点を光らせているからこそ成せること。

そんなプロフェッショナルの姿勢から生まれた “モヤモヤ” がカタチとなって、2011年「#WE1496」という究極のナイロンコットン商品が誕生しました。

#WE1496は、対面でお話したあなたにのみ商品を紹介し、意気投合したあなたにのみサンプルをお渡しする、プレミアムな商品です。

#WE1496では不完全なままだから#Z2082111へ

#WE1496は綿では不可能な高密度織物になり、引裂き強度も200Sの綿タイプライターの2倍となりました。
ただ、欧米の有名メゾンでは喜んでいただいたものの、まだまだ用途展開が限定されていました。

そこでナイロン100%の開発へと展開します。
タイプライタークロスを色々な材質から効果的に活用したい、という想いから生まれたのが#Z2082111(ナイロン100%)です。

多くの人に愛される、今の素材に込められたこだわりが大きく3つありました。

1. 自由な組み合わせを楽しむために耐えられる強度
2. 綿の美しさと安心感を表現するために作られた独自の原糸
3. 軽量/LIGHTに対してこだわった表現

です。

1. 自由な組み合わせを楽しむために耐えられる強度
まずこだわったのは、「#WE1496以上の強度にすること」
#WE1496は弱めの撥水で、4N~5Nの引裂き強度でした。
#Z2082111はナイロン100%にすることで撥水が強く+コーティング(通気度1㏄未満)することで引裂き強度が8N~9Nにアップ。

この改善によって様々なアイテムに活用できるようになり、お客さまに自由なアレンジで組み合わせを楽しんでもらえるようになりました。
たとえば、こちら。
  

 

ダウンだけでなく、コートやシャツやボトムなどに展開できるかと思います。

2. 綿の美しさと安心感を表現するために作られた独自の原糸
何度も検証を重ねた部分は糸の開発とその組み合わせ。
今の糸に決まるまでに、実はとても長い時間を要しました。

糸が光るほうが見た目の美しさや高級感は出やすいが、光ればいいというものでもなく、スポーツテイストが出すぎても良くない。
お客さまがモノを並べたときに違和感にならないよう、光るようで光らないバランスにはかなりこだわりました。

3. 軽量/LIGHTにこだわる表現
「この生地で作られた服は、コピー用紙より軽いのにもかかわらず、その25倍以上の強度があり、圧倒的な軽さで着心地を忘れさせてくれます。」
がNOTO QUALITYの要素の一つ、“軽量”です。

この#Z2082111という商品を初めて目にしたとき、それは新しいアイデアであったにもかかわらず、商品のイメージがすんなりと思い浮かんだのを覚えています。

軽量という言葉に慣れ親しんでいた私にも「あ、これなら私も軽量が実感できるかもしれない」という予感を与えてくれました。

今も軽量という単語は使われますが、あなたが具体的に実感できる言葉にはなっていません。
商品説明を見ただけであなたが『これはどんな商品なのか』を判断できるかどうかが重要と思っています。

もっと広義な “軽量” と表現することで、あなたが使い方を自分なりに考えることができる。自由に解釈していただくような余白の部分を残しておきたいと思っています。

「それがどんな商品なのか」ということを瞬時にイメージさせながらも、一方であなたが商品の味や使い方を自由に解釈してくれたらと。
#Z2082111は人と人の自由なつながりから生まれた商品ですから。

Art #:Z2082111
Function:LIGHT
Composition:N100
Size:145*49
Weight:61g/㎡

REMARK:
・撥水+裏アクリル系コーティング
・耐水圧 約400~500mm
・通気度 1cc未満
・引き裂き強度 8N

私たちと気軽にお話したい方はこちらまで